脳のひろば 2024年3月号

「自分の内部を感じる感覚」って?【前庭覚のお話】

 

 

こんにちは。

こどもプラス川越 南大塚教室です🎎

 

 

私達は普段「五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)」を使って外の情報をキャッチしています。それに対し、「自分の内部を感じる感覚」として「前庭覚」「固有覚」という感覚があります。

 

 

今回は、運動療育にも深い関係を持つ「前庭覚」について解説していきます。

 

 


 

 

前庭覚(ぜんていかく)とはどんな感覚?】

 

 

「前庭覚」とは、主に体の傾きや体が動くスピードを感じる感覚のことで、耳の内耳にある「三半規管」などで感知され、脳に伝えられます。「平衡感覚」というと聞いたことのある方も多いかもしれません。

 

 

さらに、「前庭覚」は眼球運動や姿勢の保持、覚醒などにも関与しています🙄

 

 

例を挙げると、お子さんがジャングルジムの細い棒の上で遊んでいる時、自転車を補助輪なしで乗れるようになった時、主に「前庭覚」を使っていバランスを取っているのです🚴‍♂️ 最初はうまくできなくても、失敗や成功を繰り返しながら、少しずつ脳と感覚のマッチングをしていきます。

 

 


 

 

【どのように発達・経験していく?】

 

 

「自分の内部を感じる感覚」は他の感覚と組み合わさって発達していきます。これを「感覚統合」と呼んだりもします。

 

 

感覚統合とは、主に「固有覚」「前庭覚」「触覚」の3つの感覚の発達に注目し、それらをうまく統合させることで適切な行動に結び付けられるようにするもので、1960年代にアメリカの作業療法士が考案したとされています。もともとは学習障がい児への支援方法として用いられていましたが、現在は発達障がい児やグレーゾーンと思われるお子さんへの関わり方のひとつとしてさまざまな形で応用されています。

 

 

子どもが適切に行動するのに「感覚」がいかに大切かわかると思います。

 

 


 

 

【生活にはどのように影響する?】

 

 

例えば、私達がキャッチボールをする時、ボールと自分の位置関係や、ボールが向かってくる速さを見極め、どの方向にどれだけ手を伸ばせばキャッチできるかを無意識のうちに判断しています。これがうまくいかないと、見当違いの場所に手を伸ばしたり、手を伸ばした時の姿勢の変化に対応できず、バランスを崩してしまいます🤹‍♀️

 

 

このように「前庭覚」それ単独でなくいろいろな感覚と統合させて適切に処理できないと、遊びや運動にさまざまな影響を及ぼします。

 

 

幼児を対象に、感覚と運動能力の相関を調査した2020年の研究では、感覚受容の偏りと運動能力とは関係があり、特に姿勢に関係する「前庭覚」の受容の偏りが通動能力と関係する可能性が示唆されました。

 

 

また、学習の遅れがみられる小学生に前庭覚と固有覚、そして視覚の統合を目的として治療を行なったところ、運動課題への取り組みが積極的になり、学校での学習もこれと並行するように改善していったといいます。

 

 

耳の中にある小さな小さな感覚受容器ですが、子どもの発達にはとても大切な役割を果たしているのですね😁👂

 

 


 

 

 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

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