作業療法士による発達支援コラム 2025年6月号

手先の発達支援
~日常生活の「できた!」を増やすために~

 

 

こんにちは。

こどもプラス川越 南大塚教室です☔

 

日々の療育の中で、「アルミ缶やペットボトルの蓋が上手く開けられない」「靴紐が結べない」「お箸が上手に使えない」など、手先の不器用さに悩むお子さんの姿を見かけることはありませんか。今回はそうした「手先の不器用さ」の背景にある原因や、ご家庭でも取り入れられる対応・遊びの工夫をご紹介します。

 

 


 


手先が不器用な背景には、さまざまな理由があります。


🔸指の動きの発達段階がゆっくり進んでいる
🔸発達特性(発達性協調運動症「DCD」、自閉スペクトラム症「ASD」など)によるもの
🔸握る力・つまむ力が弱い
🔸細かい動き (巧緻性)を行なうのが苦手
🔸目で見た情報をもとに手を動かす「手と目の協応」が難しい
🔸両手を同時に使う動きをスムーズに行なうことが難しい
🔸右の認識や、体の中心(正中線)をまたぐ動きの理解が難しい


このように、一見「やる気がないように見える」行動にも、実はお子さんの中にある特性や困りごとが隠れていることがあります。無理に練習させるのではなく、お子さんの発達段階に合ったアプローチが大切です。

 

 


 

 

おすすめの遊びや練習の工夫

 

指の発達段階に合わせた遊び


🔸ペグさし遊び
棒を穴に差し込む遊びです。台紙にお子さんの好きなキャラクターなどを描くと、楽しんで取り組めます。

🔸プットイン遊び
タッパーのふたに穴を開け、そこに棒やコインなどを入れて遊びます。手指のコントロール力が育ちます。

 

 

握る力を育てるトレーニング

 

1.クマさん歩き
①両手のひらをしっかり床につけ、グーや半開きの手にならないようにしましょう。
②顔が下を向かないように、進む方向を見ながら歩きましょう。
③膝をつかずに、手と足でバランスよく体を支えながら進みましょう。


2.スズメさん
①鉄棒をしっかり握って、スズメさんに変身しましょう。
②腕を伸ばして胸を張り、体をまっすぐ支えましょう。
③目線は前を向いて、5メートルほど先を見るようにしましょう。
④両足をくっつけて伸ばし、体をピンと伸ばすように意識しましょう。


3.手押し車
①前にいるお子さんの両膝のあたりを持ち、ペースを合わせて前に進みましょう。
②前にいるお子さんが進みながら前を向けるように、声掛けをしながら行ないましょう。
③安定したら片方の足のみを持ち上げてチャレンジしてみましょう。


4.リハパテ遊び
①粘土を手のひらで転がして、丸いボールを作りましょう。
②粘土を細長い棒状になるように指で転がしましょう。
③細長くなった粘土を、指先でつまんでちぎってみましょう。

 

 


 


今回は、手先の不器用さに悩むお子さんのための原因の理解と、効果的な遊びの工夫をご紹介しました。作業療法士のコラムでは、今後もご家庭で活かせる療育のヒントをお届けしてまいります。次回もぜひお読みいただけると幸いです。

 

 


 

 

柳沢運動プログラムの効果

 

 

教室で採用している運動遊び

『柳沢運動プログラム』は、

頭からお尻、そして手や足の先まで

全身を余すところなく使った動きで構成されています🤸

 

たとえ小さな成功でも、

運動を通して経験した確実な進歩は

「自己肯定感」の獲得につながります。

「柳沢運動プログラム」は、

運動の発達を促すだけでなく、

お子さんの「自己肯定感」を高めることにつながる

運動遊びなのです!

 

 

 

 

 

今回のお話の、さらに詳しい解説や

柳沢運動プログラムについては

こちらの画像からもご覧いただけます🤗

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